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EMLG/JMLG Annual Meeting 2023報告 JMLG Secretary
西山 桂(名城大学理工学部)【概要】 EMLG-JMLG Annual Meeting 2023 —Understanding Solvation in Molecular and Ionic liquids: Towards a Sustainable Future— は、2023年9月4日から9月7日までの4日間、ボルドー(フランス)において開催された。学会運営に関して、Chair は Dr. Thierry Tassaing(CNRS、ボルドー大学)、Co-Chair はProf. Jean C. Soetens(ボルドー大学)がそれぞれ務めた。主たる会場として、学内の講堂「Agora」が充てられた。
学会では、基調講演4件、招待講演7件、一般口頭講演49件、ポスター発表44件の発表があった。参加人数は120名で、昨年同様の規模である。そのうち日本の研究機関からの参加者は10名であった。9月7日にはGrand Public Conference として、Prof. Karine De Oliveira Vigier(ポアティエ大学、フランス)による講演のもとグリーンケミストリーについて考える機会を得た。
それに先立ち9月6日にはエクスカーションとして、近隣のワイン醸造所「Château Pape Clément」の見学及び試飲ツアーが実施された。最終日には学会ディナー(Gala)が催され、市内中心部の運河に面したレストラン「Café Maritime」において、地元産ワインとともに魚や肉といったコース料理が振る舞われた。【基調講演】 基調講演は以下の4 件である。(プログラム掲載順、敬称略。講演題目は原文のま ま収録。以下同様。)
- Sergei Kazarian, UK
- FTIR Spectroscopic Imaging Applied to Ionic Liquids, Supercritical Fluids and Molecular Liquids
- Barbara Kirchner, Germany
- Ion pairing and reducing uncertainties in ionic and molecular liquids
- Pavel Jungwirth, Czech Republic
- Electrons in Polar Solvents: Birch Reduction, Blue Electrolytes, and Golden Metals
- Toshiyuki Takamuku, Japan
- Properties of Ionic Liquid-Molecular Liquid Binary Mixtures as Reaction Solvents
【ポスター賞】 次の若手研究者に授与された。
- Grégoire Boe, France
Quantitative in situ analysis of complex fluids by co-localized IR/Raman spectroscopy for the study of the chemistry of hydrothermal vents- Helga Tóth Ugyonka, Hungary
Adsorption of HCN on amorphous ice under interstellar conditions- Antoine Djeukeng Momo, Czech Republic (副賞はSociété Chimique de France - Aquitaine の 提供)
Structure and free energy profiles of NaCl solutions in graphene-based single digit nanopores今年度は特に、EMLG 会員でもあった故Prof. Karl Heinzinger の業績を記念して、次の研究者にも授与された。
- Arnau Jurado Romero, Spain
- Propulsion from energy bursts for nitromethane in water
【会議予定】
2024 年EMLG-JMLG Annual Meeting
Chair: Dr. Marco Paolantoni, Dr. Barbara Rossi
会場:トリエステ(イタリア)
会期:2024 年9月8-13日
(詳細は追って学会web等に掲載)【印象】 今年度も交通至便の地で開催されたこともあってか、例年通りの参加人数や発表件数を得た。会議では、単純液体、イオン液体、過冷却系、高圧系やソフトマテリアルに至るまで、液体・ 溶液が関与する実に幅広い系についての議論が展開された。研究手法としても実験、理論、シミュレーションが程よく配置され、参加者同士において今後の共同研究のきっかけを多数得たものと思われる。また、新規研究手法や新技術の開拓も旺盛であった。なお本学会の成果を反映して、J. Mol. Liq. 誌の特集号が刊行される。
当地では、市内のレストランやカフェは例外なく美味であり、さすが「月の港ボルドー」という別名に恥じない。ただ円安の影響もあってか、ちょっとしたカフェでのランチが15ユーロ(約2,400円)程度と、財布と相談しながらの出張となった。
ボルドー大学Agora(講堂)外観 市内中心部と大学を結ぶトラム ワインシャトーの内部 学会ディナーの魚料理(タラのポワレ) 以上
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