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EMLG/JMLG Annual Meeting 2022報告 JMLG Secretary
西山 桂(名城大学理工学部)【概要】 EMLG-JMLG Annual Meeting 2022 ─Molecular Liquids at Interfaces─ は、9月12日(月)から9月16日(金)までの5日間、バルセロナ(スペイン)において開催された。学会ChairはProf. Giancarlo Franzese(バルセロナ大学)が務めた。
学会初日(12日)は市内中心部にあるバルセロナ大学の大講堂(Paranymph)において、Chairによる開会の辞が発せられた。Joan Guàrdia Olmos バルセロナ大学長等による歓迎のあいさつに続いて、基調講演、そしてウェルカム・パーティーが催された。翌日からは、郊外にある 同大学物理・化学科棟の講義室(Aula magna Enric Casassas)に場所を移して開催された。学会では、基調講演9件、招待講演16件、一般口頭講演40件、ポスター48件の発表があった。参加人数は120名、そのうち日本の研究機関からの参加者は8名であった。14日にはエクスカーションが開催され、市内のモダニズム建築(アントニ・ガウディ等)を見学するツアーが組まれた。また15日にはSocial Dinner が企画され、市内の古城レストラン「Can Cortada」においてスペイン産ワインとともに地元名物の肉料理が振る舞われた。【招待講演等】 今回の講演のうち、基調講演は以下の9件である。(プログラム掲載順、敬称略)
- Emilio Artacho (University of Cambridge, UK)
- 2D-Confined Water. Phases and Dielectric Response
- Fernando Bresme (Imperial College London, UK)
- Taming Complex Fluids with External Field: a Computational Journey
- Kenneth A. Dawson (University College Dublin, Ireland)
- A Critical Role for Glassy States Biomolecular Condensates in Nanoscale Regulation of Biology
- Pablo G. Debenedetti (Princeton University , USA)
- Computational Studies of Supercooled Water with an Ab-Initio Deep Neural Network Model
- Martina Havenith (Ruhr-University Bochum, Germany)
- The Stressed Solvent: Terahertz Calorimetry Probing the Solvent in Action
- Kenichiro Koga (Okayama University, Japan)
- Two Aspects of the Osmotic Second Virial Coefficient
- Rahul R. Nair (The University of Manchester, UK)
- 2D Materials-based Intelligent Membranes
- Takakazu Nakabayashi (Tohoku University, Japan)
- Water in a Living Cell Probed by a Raman Microscopy
- Gregory A. Voth (The University of Chicago, USA)
- Recent Advances in Bottom-up Coarse-Graining of Liquids
【ポスター賞】 次の若手研究者に授与された。1位から3位の順に記載。
- Maria von Einem (University of Bremen, Germany)
Is TiO2 Cleaning our Wastewater in the Future?- Zsófia Judit Sarkadi (University of Pannonia, Hungary)
Scaling for Selectivity in Uniformly Charged Selective Nanopores- David Kotwica (University of Rostock, Germany)
Spectroelectrochemical and IR-Photocatalytic Investigations of Manganese based CO2-Reduction- Catalysts【会議予定】
2023年EMLG-JMLG Annual Meeting
Chair: Dr. Thierry Tassaing
会場:ボルドー(フランス)
会期:2023年9月
(詳細は追って学会web等に掲載)【印象】 コロナ禍により、前回(2019年9月、開催地:クトナー・ホラ(チェコ))から3年ぶりの開催となった。学会初日には、旧知の研究者間で再会を喜び合う姿が多く見られた。今回の会議では、単純な液体から環境に閉じ込められた系まで、あるいはイオン液体からソフトマテリアルに至るまで、幅広い系について報告された。分子論的な議論が多かったように思えるが、複雑な液体をあえて粗視化してシンプルな知見を得ようとした研究など、研究者による多様な物質観が反映された講演が多かった。なお本学会の成果を反映して、J. Mol. Liq. 誌の特集号が今後刊行される。
バルセロナでの食事は、市内のレストランやカフェはもとより、大学の学生食堂にいたるまで美味であり、食の都という別名に恥じない。なおバルセロナでは一般的なスペイン語ではなく、カタルーニャ語が公用語となっている。学内の看板から掲示物に至るまでカタルーニャ語表記であったのが印象的だった。
(左)バルセロナ大学Paranymph(大講堂)内部、(右)建物外観と中庭
(左)学会会場、(右)会場ホールへ通じる化学科棟の入口以上
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