Japanese page only. | |
> 関連学会・研究会など > EMLG/JMLG Annual Meeting 2012報告 |
本ページと同内容のPDFはこちら
EMLG/JMLG Annual Meeting 2012報告 JMLG secretary
高椋利幸(佐賀大院工学系)ハンガリーの首都ブダペストから約140 km北東に位置するエゲルのEszterházy Károly Collegeを会場としてEMLG/JMLG Annual Meeting 2012が開催された。会期は9月5日(水)夕方から9日(日)昼までの5日間であった。会議のチェアーパーソンはProf. Pál Jedlovszkyが務められ、トピックスとして”Fluid interfaces”, “Liquids under extreme conditions”, “Self-organizing and magnetic fluids”が掲げられた。
参加者は15カ国から総数89名であった。日本からの参加者は19名(堀川裕加,細川伸也,井村晋也,稲田雄太郎,亀田恭男,加藤 稔,木村隆良,松林伸幸,長田義仁,貞包浩一朗,澤村精治,城田秀明,高椋利幸,鳥居 肇,和田竜一,脇坂昭彦,山口敏男,吉田亨次,吉田紀生; アルファベット順,敬称略)であり、開催国ハンガリーの17名を上まわって最多であった。その他、ドイツ12名,チェコ6名,ロシア6名,イタリア5名,ポーランド5名,フランス4名など、日欧以外では、米国3名,タジキスタン1名であった。
会議は、9月5日(水)18:00からProf. Gábor Pálinkás (Chemical Research Center, Budapest)の招待講演および19:00からのレセプションで始まった。6日(木)8:30から9日(日)13:00まで10件の招待講演(60分),1件の基調講演(40分)と33件の一般口頭発表(20分)および41件のポスター発表が行われた。招待講演(計11件)の講演者とタイトルは次の通りであった(講演順,敬称略)。
Gábor Páinkás (Chemical Research Center, Budapest, Hungary),
“Characterization of supramolecular associations in solution”
Colin Bain (Department of Chemistry, Durham University, UK)
“Micelle processes at surfaces and in solution”
Miguel Jorge (Laboratory of Separation and Reaction Engineering, University of Porto, Portugal)
“Ionic Liquid interfaces: new insights from molecular simulation”
Ilan Benjamin (Department of Chemistry, University of California Santa Cruz, USA)
“Fluid interface fluctuations and chemical reactivity”
Geraldine Richmond (Department of Chemistry, University of Oregon, Eugene, USA)
“Line' em all up: Assembly of surfactants, macromolecules and nanoparticles at liquid-liquid interfaces”
Marie-Paule Pileni (Laboratory of Mesoscopic and Nanometric Materials, University Pierre and Marie Curie, Paris, France)
“Nanocrystallinity and supracrystallinity : a real challenge”
Miklós Zrínyi (Semmelweis University, Department of Biophysics and Radiation Biology, Laboratory of Nanochemistry, Hungary)
“Complex fluids and polymer networks: a fascinating alliance”
Mikhail Avdeev (Joint Institute for Nuclear Research, Dubna, Russia)
“Particle interaction in polydisperse magnetic fluids: experimental aspects”
Akihiro Wakisaka (National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Tsukuba, Japan)
“Molecular clustering inherent in the liquid state: Effect of relativity in the intermolecular interaction energies”
Maria Antonietta Ricci (Physics Department, University Rome Tre, Italy)
“Proton momentum distribution and kinetic energy in water”
Nobuyuki Matubayasi (Department of Chemistry, Kyoto University, Japan)
“Effects of water and cosolvents on functional molecules in solution”口頭発表については、イオン液体、界面、生体関連分子、磁性流体、局所場液体、水素結合などのセッションに分けられていた。高いドーム状の天井をもつホールで口頭発表が行われたため音声が反響して講演、質疑ともに聞き取りづらかったこと、夕方に近づくにつれて窓から日光が入りスクリーンが見づらかったことなどはあったが、活発な議論がなされていた。
ポスターセッションは第3日17:00-19:00に行われた。例年通り、若手研究者(大学院生・ポスドク)の優秀なポスター発表に対して、ポスター賞が贈られた。今回は以下の3名が順位付けなしで選出された(アルファベット順,敬称略)。受賞者には、賞状と副賞150 Eurが贈呈された。また、全受賞者に3年間のEMLG/JMLG会員の権利が贈られた。
Silke Heckhausen (Univ. of Rostock, Germany): Computer simulation study of molecular processes in ice and supercooled solutions
Yuka Horikawa (Univ. of Tokyo, Japan): Electronic state of liquid molecules observed by soft X-ray emission spectroscopy
Bernd Mühldorf (Univ. of Regensburg, Germany): Dynamics, hydration and ion association in aqueous solutions of ionic liquids based on oligoether carboxylates発表以外のプログラムとしては、第2日20:00からワイン産地であるエゲルらしく希望者が参加してのワインテイスティングが郊外のワインセラーで催され、5種類のワインを楽しんだ。第4日昼食後にはエクスカーションが行われ、バスでMiskolctapolca Cave Bathに出かけて水着を着用して温泉に入った。ただし、水温は35℃程度と低く、日本人にとっては温水プールという感覚であった。その後、再びバスで移動して、Eger Korona Winehouseにおいてバンケットが行われた。
運営会議は第3日19:00から、総会は最終日第5日すべての発表が終了した後に行われた。主な議題を以下に記す。
- 2013年以降のEMLG/JMLG Annual Meetingについて
2013年9月8日(日)〜12日(木): Lille, France; Chair: Prof. Abdenacer Idrissi
日本からの招待講演者としてProf. Toshio Yamaguchi (Fukuoka Univ.)が予定されている。
2014年: Rome, Italy; Chair: Prof. Maria Antonietta Ricci
2015年: Rostock, Germany; Chair: Prof. Ralf Ludwig and Prof. Dietmar Paschek
以上の開催が承認された。なお、運営会議において2016年に日本での開催が打診されたが、来年(2013年)京都で溶液化学国際会議(33rd ICSC)を開催することから時期が早すぎるとして、2018年開催を予定して日本国内で議論したのち結論を示すことになった。- EMLG Chairman選挙について
現チェアProf. Richard Buchner (Univ. of Regensburg, Germany)が2度目の任期満了をむかえることから新チェアの選挙が予告された。Prof. Richard BuchnerからProf. Pál Jedlovszky (Eszterházy Károly College, Hungary)が有力な候補であることが述べられた。- EMLG/JMLG会費について
会費徴収方法について審議され、今後はAnnual Meeting登録料に加算して徴収することが承認された。
以上
〒606-8502 京都市左京区北白川追分町 京都大学大学院理学研究科化学専攻 光物理化学研究室内 溶液化学研究会事務局 Tel: 075-753-4026, FAX: 075-753-4000, e-mail: jimukyoku<at-mark>solnchem.jp |